概念モデル可視化ツール
rami(ラミ)は,概念モデル可視化ツールです.
曖昧な感性を曖昧なまま評価でき瞬時に数値化ができます.5段階評価など1〜5数値に置き換えることなく,直感的な重み付けが数値化できるため,
アンケート,製品評価,人事評価など様々な場面で活用できます.
(特許取得済,グッドデザイン賞受賞)
どんな手法なのか
曖昧な感性を曖昧なまま表現する
・気持ちの重み付けをする身体表現を応用
「どれだけ好き?」と尋ねられたら「[両手を広げて]こんなに好き!」と言うのが定番ですが,両手のひらの距離というより大きな球体や地球,宇宙をイメージしているはずです.
こうした行為は,裏を返せば人の思いや気持ちの重み付けを体積や面積,長さなどによって表現しているということです.
・どれくらいというイメージを円の大きさで表現する
ある質問項目に対して「どれくらい」という重み付けに応じた大きさの円をフリーハンドで描きます.
例えば,5つの商品をそれぞれ「どれくらい好きか」を円の大きさで表現してもらえば,単純な順位だけでは分からない重み付けの違いを知ることができます.
また,一つの商品の評価項目を「色」「ブランド名」「形」・・と決めておいて尋ねれば,どの項目にどれくらい重きを置いて決めたのかを可視化するができます.
・1〜5の数値に置き換えない
5段階評価に答えていて「ちょっと・・」という思いを持つことがあります.そこで気づくべきは
- 5段階評価は,「好き」のレベルも「怒り」のレベルも,「痛い」のレベルもすべて1〜5の数値に置き換えるという手続きを相手に強いていること.
- 「4ではないけど3でもなく,かといって3.5でもなくて」という曖昧さを許さないこと.
- 最大値と最小値が決められていること.
例えば,痛みの最大値は,5でいいのか100の方がいいのかと問われれば,100の方が良いように思います.しかし,個人差を考えれば,その人が最大と思う設定ができる方が良いはずです.本ツールが枠からはみ出して描くことを許しているのもその思いからです.最大値,最小値は,自分で決めることができるのです.・別の評価軸を与えて再評価できる.
別の評価軸として高さを与えることで別の視点で評価が可能です.
画面右上の[3D]ボタンを押すと立体表示になり各円の高さをドラッグ&ドロップで変えることができます.
例えば,5つの製品に対してどれくらい好きか円の大きさで表現してもらった後,立体表示にして「操作性の良さ」を高さで表現してもらうと,好きな理由と操作性の良さのギャップを距離として知ることができます.
・グラフで確認できる
曖昧な重み付けは,リアルタイムでグラフとして確認できます.
描画にかかった時間順を直感的に見ることができるので,例えば,円は小さいのに(重きを置いていないのに)時間をかけているのは「何かを考えながら描いたのですか?」と尋ねればその思いを引き出すことが可能になります.つまりコミュニケーション・ツールとしての機能も有しています.
操作を終えて保存すると,[ramiデータ],Excelで扱える[CSVデータ],配置画像の[pngデータ]の3つが保存されます.
・過去のデータと比較することができる
[shift]+[option](Mac OS)で一つの円をデスクトップに取り出すことができます.
例えば,あるアンケートに対して3ヶ月後に全く同じ質問し回答した後,過去に回答した円をドラッグ&ドロップでもち込めば,その大きさの差を生んだ心の変化を知ることができます.また,その理由を問うことで心を動かした具体的内容を導き出すきっかけを作ることができます.
操作方法
私の看護観vを可視化して見る
1.起動画面
概念モデルを構造化したい対象名[ここでは「私の看護観」]と名前[自分の名前]を記します.(※看護観とは看護に対する考えのこと)
左には操作方法と機能が記されています.
評価したい項目が既に決まっている場合は,左下の[項目モード]をクリックすると16項目まで設定可能な枠が表示されるので入力します.
以下は,項目を設定せず自由に挙げながら記していきます.
2.思いつくまま描く
例としてベテラン看護師が「大切にしていること」を思いつくまま挙げながら円を描きます.
はみ出して描いてもOK!
後からドラッグ&ドロップで画面に持ち込むことができます.
色が思いに影響しないようにデフォルトはグレー.鍵マークをクリックで色変更可能.色は描く度に自動的に変更.
文字は,円をクリックして[T]をクリックすると入力画面が現れるので入力できます.エンターキーで決定します.
右下の黒い三角のあるポインタをドラッグすると描いた円を拡大・縮小できます.
左上の円グラフの位置に描いた円をドラッグすると仮置きとして小さな円で表示されます.クリックすることで復元などが可能です.
3.二つの関係を表現
感謝との会話の時,笑顔の割合を重なり度合いとして表現することができます.また,交叉率として確認することもできます.
4.正円として表現
フリーハンドの円は,正円として見ることもできます.
5.イメージを伝えるための機能
線の太さを変えることでイメージの違いを表現できます.
塗りつぶすことができます.
透明度を変えてイメージの違いを伝えることができます.
色を変更することでイメージを伝えやすくすることができます.
6.別の評価軸として高さを与える
右上の[3D]をクリックすると三次元で表示されます.円をドラッグして高さを変えることができます.見る角度は右端,下辺のバーの操作で変更できます.
操作終了後,師長が「ケアテクニック」の位置を高くして「新人看護師はあなたのケアテクニックを評価しています」と伝えることができます.
(分かりやすく医学的知識を下げています)
クリックしてマウスをもう一つの円に移動させると上下50をMAXとして表わすことができます(3D表示に切り替えた時を0の位置として,上に50,下に50で移動可能という意味).
7.保存は三種類のデータ
保存すると,Excelで扱える[CSVデータ],配置画像の[pngデータ],[ramiデータ],の3つが保存されます.
※[2D]画面(上記 2.の画面)で一つの円を[shift]+[option]キーを押しながらデスクトップにドラッグするとその円のデータのみ保存されます.例えば3ヶ月後同じ質問をしたときにそのアイコンを画面にドラッグすると3ヶ月前の面積の差分を心の変化量として見ることができるわけです.
使用例
広い応用範囲
・人事評価
「協調性」「積極性」「責任感」・・など評価項目を決めておいて,対象者について評価していきます.
同様に評価される側も自己評価してもらいます.そうするとどの項目に大きな隔たりがあるかが一目瞭然となり,修正の依頼をかけやすくなり人を生かすためのツールとなります.
・製品評価
複数の製品の好感度の順位付けができます.それぞれなぜ好きなのか「ブランド」「色」「カタチ」「機能」「材質感」・・についてそれぞれに重み付けすることで何を基準に評価したのか知ることができます.
・プレゼン評価
「内容」「声の大きさ」「ユーモア」「口調」「聴衆者を見ているか」・・について重み付けすることで,何を基準に評価しているかを知ることができます.
・教育評価
塾や学校で各科目の単元毎に重み付けをすると思っている理解度と実際の点数との比較から何を重点的に学べば良いか理解ができます.また,教員と生徒との思いの差を確認することができます.
・KJ法の応用
紙のポストイットを寄せ集めてグループ化できても,一枚一枚は同じ大きさです.本ツールはグループをまとめて一つの大きな矩形で表現できます.これにより例えば四つのグループに分けられた各代表的項目を矩形の大きさとして重み付けができます.
・重視している差分を可視化
救急救命医療の現場で,医師,看護師,技師・・といった職種の違いによって,何に対して重視しているか,その差分を可視化することができます.
利用事例
@ 2014 KANSEI DESIGN Inc.